出会い 第2話「御光さす」
チョーさんが到着して翌日の朝。レッスン初日。
cho「じゃあ、何か叩いてみて。」
き「おら~~~!!うぉら~~!!でやぁ~~!!!」
全身全霊の力と情熱を込めて叩くオレ!!無我夢中で叩く事5分、、、
cho「ふーん、、、。今のは何かな?」
き「えっ?何って?どういう意味ですか?叩けって言われたので叩きました」
cho「何のカイダを叩いたの?ぐちゃぐちゃだし、音も違うし」
※カイダ:インドのリズムパターンの名前
き「オリジナルです(このクソジジイめ、何を言ってるんだ?)」
cho「では、何かカイダを叩いてみて」
き「分かりました、、、おら~~~!!うぉら~~!!でやぁ~~!!!」
全身全霊の力と情熱を込めて叩く自分。無我夢中で叩く事5分、、、
cho「ふーん、、、。今のは何かな?」
き「えっ?何って?どういう意味ですか?カイダですが」
cho「何のカイダを叩いたの?」
cho「うーん。全然違うんだよね。ぐちゃぐちゃだし、音も違うし」
き「じゃあ、見本見せてください」
cho「分かった。ちょっとタブラ貸して。」
全く力を入れず、超余裕の表情でタブラを叩き続けるチョーさん。
cho「ブオ~ン!、ドゥ~ン!、カーン!タッタ!タタタタ!!!!」、、、
床が波打ち、壁が揺れ、天井を突き抜ける音!
山頂からの見晴らしのように、どこまでも壮大な景色!!
荒波のように押し寄せる迫力!!!
き「なんだ、これは!!!こんな音、聞いた事がないぞ!!!
、、、今まで、自分が叩いていた楽器、聴いてイメージしていた音は一体何だったんだ!!?、、、、、
、、、、はっ!!!?
これだ!!!?俺に必要なものは、これだったんだ!!!」
感動!!!感動!!!感動!!!感動!!!感動!!!
衝撃!!衝撃!!衝撃!!衝撃!!衝撃!!衝撃!!
気がつくと、チョーさんの前にひざまづく自分がいました。
見上げると、チョーさんは満面の笑顔で
cho「では、レッスンを始めようか」
き「はいっ!!」
目の前に座っている一流のタブラ奏者の頭には、
たしかに御光がさしている。
それが、蛍光灯の光が頭に反射したものでは決してない事は、
俺だけが分かっている事実なのだ。
師匠チョーさんとの出会い 第3話に つづく