タブラ奏者きゅうりの修行日記

毎年訪れるインド、日本他諸外国での活動。師匠チョーさんとの涙あり笑いありの修行日記です。

出会い 第3話「ナかぬならナかせてみようホトトギス」

それから、、、、
 

毎朝8時にホテルへ迎えに行き、9時から夕方まで、みっちりレッスンの日々が始まった。
 
 
本当の初歩の初歩、ナの叩き方。じっくり丁寧に教えてもらう。
 
 
 
cho「薬指はここね。で、中指はこう。小指はここで。手首はこう。親指はこうで、人差し指で、、、、、、、、、ナーーーーーッ!!!
 
 
 
荒野を突き抜ける風のように天高く舞い上がるチョーさんのナ
 
 
 
cho「では、やってみて」
 
 
 
き「はいっ!!ええぇっと、薬指、小指、手首、人差し指、、、
うぉら!!、、、、、、ナ。」
 
 
 
cho「違う違う。こうだよ、、、ナーーーーーッ!!!
 
 
 
き「うぉあ!!!!!、、、、、、、、ナ。」
 
 
 
cho「ナーーーー!!!
 
 
 
き「、、ナ。」
 
 
 
 
まったく力を使わずに壮大な爆音を轟かせる最強生物と、
 
 
 
全身全霊の力を込めて、米粒のような音を発するミドリムシ
 
 
 
対極的な二人。正反対の二人。長髪と短髪。毛量多めと、、、、。
 
 
 
 
cho「ナーーーー!!!!!
 
 
 
 
き「、、、な。、、、鳴らない、、、、
、、、ちくしょー!!俺が信長だったら、タブラを叩き切ってやる!!!
 
 
 
限りなく理不尽な感情がこみ上げてくる。
 
 
 
cho「うーん、、、。中指はこう、手首はここ、親指はここ。これは、ここ、で、こうね。」
 
 
 
 
細かな位置、角度を数ミリ単位で調整してもらう、、、。
 
 
 
 
き「ナー。あっ!!少し鳴った。」
 
 
 
 
たった一つの音を3時間、4時間かけて教えてもらう、、、。
 
 
 
き「ナーー。
 
 
 
cho「違う違う。ナーーーーーーッ!!!
 
 
 
 
 
できない、できない、できない、できない、できない、、、
 
 
 
目の前には、鼓膜がビシビシと圧迫されるチョーさんの音!!!
 
 
 
できない、できない、できない、できない、できないっ!!
 
 
 
答えがすぐ目の前にあるのに、
 
 
 
 
できない、できない、できない、、、、。
 
 
 
 
子供の頃、いきなり海に掘り込まれた時の気持ちを思い出す。プールでは、あんなに泳げたのに、、、、。
 
 
 
き「無理だよ。こんなの。見た事も聞いた事もないのにできるわけないじゃないか!!!
 
 
ちくしょう。ちくしょう…。ちくしょう!ちくしょう!!!
 
 
逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、、、、。
 
 
できない、できない、、、できない~~っ!!!、、、、、、、
 
 
 
 
 
 
そして、その晩、、、
 
 
 
 
 
ひとり、、、枕を濡らした、、、。
 
 
 
 
 
 
師匠チョーさんとの出会い 第4話へ つづく

 


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