出会い 第4話「自分を捨てる」
毎日毎日1日5時間、みっちり基礎だけのレッスン、、、
4~5日が過ぎ、筋肉痛もピークに達し、意識も朦朧としてきた頃、、、
「なぜだ!!なぜだ!!なぜだ!!なぜだ!!」
自問自答の日々、、、、
インド音楽界を最前線で牽引する巨匠と活動をともにするチョーさんの音。一流の音。完璧な音!!
それを、目の前で何度も見て聴かせてもらっているのに、ただの1回もその音が出ない。
同じ音が出せない!!ただの1回も、、、、。
「なぜだ!!なぜだ!!なぜだ!!」
レッスンが終わり、家に帰っても繰り返す、自問自答。
夢の中でも、自問自答。
「なぜだ!!なぜだ!!なぜだ!!なぜだ!!、、、、、、、、、、」
そこで、、、、、、、ひらめく、、、、、、!!
!!!衝撃的な気づき!!
「自問自答って、、、最高のお手本があるのに自問自答だって!?、、、、」
セルフチェックと自問自答に没頭するあまり、目の前のお手本をまったく見ていない自分に気づく。
過去のしこり。自分のフォームという呪縛。自意識という名の壁!!
「過去を全て捨てなければ、新しい音は手に入らない!!
俺は、タブラをたった今はじめて目にした赤ん坊だ!!赤ん坊なんだ!!」
過去の自分を捨てる。今までのフォームを捨てる。すべて、、、捨てる!!
まっさらな目で、目の前のお手本を見つめる!!
指、手の角度、肩の位置、筋肉の使い方、背中、腰、足、首、表情、、、
チョーさんの動きの全てを食い入るように見つめる。目に焼き付ける!!
そして、、、真似る!!完璧に真似る!!
まるで、チョーさんが乗り移ったように、、、
真似る!!
そして、、、叩く!!!
「ナーーーー!!!」
「なっ、、、、鳴った!!!鳴ったぞーーーー!!!!」
習うというより、自分の耳で聴き、自分の体で感じ、自分の目で見て、純粋に真似る!!!
新しい事を学ぶためには「過去の自分はを捨てる」
それに気がついてからの成長はとても早かった。
真似る!!真似る!!まるで、チョーさんが乗り移ったように、、、真似る!!真似る!!
でも、頭の輝きだけは似て欲しくない、、、。
師匠チョーさんとの出会い 第5話に つづく