茨の道だろうけれど、音楽と、人と、誠実に向き合って行く決意を、茨(城)の道を車で駆け抜けながら固めました。

朝から家の作業部屋を大掃除し、使わずにスペースをとっていたベースアンプや、ミキサー、ジャンベとか色々なものを車に積んで、茨城の実家の空き部屋倉庫へそれら運びました。

あたり一面、畑と田んぼ、手入れのされていない荒れた森。古き良きものが残っているわけでもないし、新しい刺激あるものもない。国道沿いにはパチンコ屋とホームセンターが軒を連ね、そこにある巨大な駐車場には、一世代前の高級車が並ぶ。なんの個性もない、味気のない、地元いばらき。

そんな地元の広大で真っ直ぐな国道を、好きな音楽を聴きながら、ひたすら車で走る。

そう言えば、学生の時も、好きな音楽を聴きながら、何もない国道を、時には自転車で、時には原チャでひたすら走っていたっけ？

そうするとごく稀に、音楽と景色が融合して、大嫌いな味気ない景色が、感動的な絶景に変わる、奇跡的な瞬間に出会うことができた。

話は変わるけれど、実は、実家の爺ちゃん婆ちゃんに、仕事を辞めて音楽をやっていることを、まだ伝えていなかった。

ずっと、気がかりだったのだけど、無駄な心配をさせてくなかったし、なんか言う事ができなかった。

「実は、２年前に仕事を辞めて、音楽をやっている。３０過ぎからそんな事をやるのは、馬鹿な事だとは十分わかっているけれど、どうしても我慢できなかった」昨日、思い切って伝えてみた。

「ああ。そうか、、、。まあ、何となく気づいていたよ」と爺ちゃん。

「お前は、小さい頃から変わっていたしな。それに、血がそうさせるのかもしれない。実は、俺の母方の家系、苗字は細川なんだが、細川家は代々芸能が生業だったんだ。詳しい事は、またゆっくり教えるけれど、とにかく、自分で決めた事なんだから、アコ（嫁）にだけは苦労させないように頑張れ！」

爺ちゃん婆ちゃんに、きちんと話す事ができて、なんか胸のつかえが取れたようですっきしりした。

ここから先は、茨の道だろうけれど、音楽と、人と、誠実に向き合って行く決意を、茨(城)の道を車で駆け抜けながら固めました。