タブラ奏者きゅうりの修行日記

毎年訪れるインド、日本他諸外国での活動。師匠チョーさんとの涙あり笑いありの修行日記です。

チョーさんの背中


俺がチョーさんを「師匠(インドではグルジ)!!」って呼ぶと、、
 
チョーさんは、顔を真っ赤にしながら「きゅうり!!ノー!ノー!やめてよぉ~」って言う。
 
でも、ちょっと嬉しそうだ。
 
インドの伝統芸能でも、日本の伝統芸能や工芸でも、どういう関係が師弟なのかは経験がないから分からない。
 
内弟子として何年も掃除や肩揉みをしたりして少しずつ教えてもらえるとか、、
 
電光石火のごとく怒鳴られる厳しい修行とか、、
 
はたまた、形だけの師弟関係で形だけのレッスンとか、、
 
弟子と言われながらも何も大事な事は教えてもらえないとか、、、
 
色々とあるみたいだけれど、どれも俺には当てはまらない。
 
チョーさんは、俺を現場に連れて行ってくれる。
 
何千人もの聴衆が押し寄せるモンダンスクールでのフェスや何十年も続く由緒あるドーバーレーン・フェスから、中規模のコンサート、ラジャスタンのお城でのコンサート、、、
 
楽屋での軽い音合わせ、ステージでのサウンドチェック、本番までの待ち時間、ライブ本番、本番を終えての主催者や偉い人との会話、路上のチャイ屋での雑談、、
 
チョーさんの背中越しには、いつも共演者の巨匠がいる。たった1m、目の前に、YoutebeやCDでしか聴いた事がないスターが!!!
 
ぶっちゃけ、手伝いの俺の方がビビってガクガクしている。
 
チョーさんの背中に隠れてオロオロしてる、、、。
 
そして、そんな気を失いそうな状況に、果敢に挑むチョーさんがいる。
 
勇気と集中力で乗り切り、拍手喝采を浴びる、、、、そんな情景を何度も見た。
 
チョーさんの背中越しに、何度も、、、何度も、、、!!?
 
やっぱり、泣けてくる。。。
 
何度見ても、泣けてくる。。。
 
本当は「チョーさんスゴい!!スゴいよ!!カッコイイよ」って号泣したいが、
 
サッとステージに行ってチョーさんのタブラを片付ける。
 
チョーさんは、俺に対して、一瞬たりとも師匠や先生を気取ったりしないけど、、
 
チョーさんの背中越しに、俺は、いつもチョーさんの生き様を感じてる。
 
日本にいるこの時も、、、、
 
 
 
明日からチョーさん来日の6月まで、コンスタントにライブが続きます!!
 
ご予約、ご来場よろしくお願いします!!
 
 
ーーーーーーーー
<きゅうりライブ予定>
5/8/Mon タブラ奏者スロジャト来日xUnit_a a_ @下北沢サーカス
 
5/17/Wed ヨシダダイキチxきゅうりx織本卓 @新宿クリシュナ
 
 
5/21/Sun インド音楽トークx下北沢Anjaliカレー@下北沢B&B
 
6/3/Sat アルナングシュ・チョウドリィ来日公演@Sasaya Cafe
6/7/Wed アルナングシュ・チョウドリィ来日公演@武蔵野公会堂ホール
 
#きゅうり #インド #タブラ #修行 #下北沢
#tabla #kyuri #japan #india #trip #world #Unitaa #postrock #experimentalrock #IDM #juke #ambient #fernandkabusacki #フェルナンドカブサッキ
 

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弟子はとらない

 

チョーさんにタブラを習いたいと言ってくる人は多いけど、チョーさんは全て断ってる。
俺が手伝いで付いていったコンサートの後でも断ってた。
 
なぜ断るのかと聞いてみたら、
「俺は、今、タブラ奏者としてキャリアを積む時期なんだ。だから生徒や弟子をとって教えてる時間はない。老人になって今みたいな活動ができなくなったら教えるかもしれないけど、、、でも、先生とか師匠とか、俺の柄じゃない。」
とあっけなく答えてた。
 
そんなチョーさんに気に入ってもらえた事が俺にとって、最大の転機だったと思う。
 
何を、どう気に入ってもらったのかは、全然分からないけど、まるで家族か親戚のような関係になってる。
 
今年6月の公演の企画に関しても、何度も何度も、「どうだ?大丈夫か」「うまく進んでるか?」「問題ないか?」ってメッセージくれて励ましてくれる。
 
台湾のシタール奏者のYO君は、5年間も師匠に怒鳴られ続け、それに耐えて、今年、「インド行きの飛行機が落ちればいいのに、、ああ胃が痛い、、今年も怒鳴られたらもうシタールをヤメよう、、」って思いながらレッスンに行って、やっと少し認められて、優しく接してくれるようになったみたい。。
 
俺の場合、チョーさんに出会う前の2年間、どうしたらいいのか分からなくて、死にそうなくらい悩みに悩んでいた事が、チョーさんと出会って突然ドンドン分からなかった事が解決していって、気持ちが晴れてきているのが伝わったのかもしれないけど、、
 
チョーさんも、インド音楽の最前線で活動するバリバリのミュージシャンなんで、厳しい面もある。
でも、やっぱり、人間関係、信頼関係って、何やるにも大事だなぁって、つくづく思います。
 
チョーさんから学んだ事は、単にタブラの技術だけじゃなくて、そういう信頼する心も学んでると思う。
 
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<来日公演オフィシャルサイト>
http://tablatablatabla.wixsite.com/japantour
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2017年6月3日(土) SASAYA CAFE/錦糸町
OPEN 5:00pm START 6:00pm
要予約5,000円
カレー&スパイス伝道師 渡辺玲ディナー付
https://www.facebook.com/events/1658639147486831/
———
2017年6月7日(水) 武蔵野公会堂ホール/吉祥寺
OPEN 7:00pm START 7:30pm
予約3,500円 当日4,000円
https://www.facebook.com/events/1844152502540541/
———
UNIT_a a_ オフィシャルページ
https://m.facebook.com/unit.aa/
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フライヤーを置いてくださる方やホームページなどに情報掲載して下さる方を募集しています!
———
#きゅうり #インド #タブラ #修行 #下北沢
#tabla #kyuri #japan #india #trip #world #unitaa #postrock #experimental#IDM #juke #ambient #minimal
 

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伝統について

インド音楽を勉強し始めたばかりの僕でも「インド伝統の真髄は~」みたいな事を宣伝文句に活動する事は可能かもしれない。でも、それは詐欺みたいな行為だし、絶対にやりたくない。

「伝統」は単なる言葉にすぎない。でも、その言葉に意味を持たせるものは現実世界での「歴史」だ思う。「伝統」は、一つの「国家」のようなもので、多くの年月と多くの人々の血と汗と努力によって成り立っていると思う。

「伝統」という「言葉」を、自分を表現するものとして使うのなら、その歴史とともになければいけない。また、それを築いてきた多くの年月と人々に、それを認めてもらわなければならないと思う。

僕の目的は「インド伝統音楽」ではない。でも、タブラに関しては、インドに行って、インドの伝統と繋がって、はじめて表現できる可能性が生まれる。それ無しには、表現したいものを形にする事は不可能。

だから、僕がやらなければいけない事は「インド伝統音楽」という偉大な形式美を「外側から眺める」事ではなく「内側で感じる」事だと思っている。

僕が学びたいものは「インド伝統音楽」という言葉ではなく、その中身。


師匠とともにコンサートをする事の意義はそこにある!!


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師匠チョーさんとの来日公演が6/3の6/7の2回公演に決定!!



タブラの師匠チョーさん来日公演が6/3の6/7の2回公演で決定!

この公演は一昨年10月、そして昨年6月と10月、短いスパンでの開催にもかかわらず、全公演で大盛況の満員御礼をいただいております!ありがとうございます!!

「ドンドン挑戦しろ!チャレンジしろ!躊躇するな!失敗を恐れるな!」

チョーさんが俺にいつも言ってくれる言葉です。

今年のインド、デリーとコルカタのフェスにお付きとして同行し、熱気と興奮に満ちたエモーショナルな古典音楽のステージで、巨匠達が、慢心する事なく、新しい事にどんどんチャレンジしていく姿を目撃しました。

そして何かのスイッチが入ってしまいました。

今回の公演ではキャパ350人の武蔵野公会堂ホールをおさえました。もう1つの会場のSasaya cafeも、実は100人以上のキャパがあります。合計で450人。

今までの自分の感覚では、あり得ない規模です。ハッキリ言って、日本でやるインド音楽で、あきらかに無謀です。

「挑戦、チャレンジ」

なんか某TV番組のキャッチフレーズのようで、青臭さ満載ですが、これが今回のテーマです!
公演へ向けてフライヤーも完成しました!

「エモーショナルを出してくれ」という俺からの訳のわからない要望を、友人のデザイン事務所 stand が実現してくれました。



この事務所は、キリン一番搾りのパッケージを始め、メジャーな仕事をバリバリとやっている忙しい事務所なんですが、そんな過酷なスケジュールのなか、ユニットのCD、アー写などのほとんど全てをデザインしてくれています。

彼らからは「売れなきゃ殺す」と言われています。

なので、とにかく、これから公演までフライヤーを配りまくります!!

イベント、ホール、ライブハウス、カレー屋、ヨガスタジオ、カフェ、レコード屋etc、いたるところにお願いしてまわります!!

もし、良いお店やイベントをご存知の方いらっしゃれば、教えていただけると嬉しいです!!

よろしくお願いします!!
ーーー
アルナングシュ・チョウドリィ来日公演
http://tablatablatabla.wixsite.com/japantour
インド音楽は、即興演奏を最も重要なテーマとして、多種多様な楽器や演奏形式を通して伝承されてきました。千年以上の歴史をもつインド伝統音楽は、21世紀の現代、国境を越え、人種を超え、音楽のジャンルを超え世界中で演奏されています。

インド国内外で数々の巨匠と活躍しているアルナングシュを招待し、日本、インド他でも活動するヨシダダイキチ、きゅうりとのトリオでの公演。

2017年6月3日(土)
SASAYA CAFE(東京都墨田区横川1-1-10)
OPEN 5:00pm START 6:00pm
要予約5,000円
カレー&スパイス伝道師 渡辺玲ディナー付
https://www.facebook.com/events/1658639147486831/

2017年6月7日(水)
武蔵野公会堂ホール(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-6-22)
OPEN 7:00pm START 7:30pm
予約3,500円 当日4,000円
https://www.facebook.com/events/1844152502540541/

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未来 最終話



ミュージシャンなるために安定した生活のできるサラリーマン生活を辞めてから、今年の10月で2年が経ちます。節目ということもあり、未来の自分への志として、思っている事を書きます。

「天才」は、元々、すごく高い「基準」「意志」を持って生まれてきた人だと俺は思う。

どういうやり方でやっても、何をやっても、間違う事がなく、ドンドン高いレベルにいける人、、
 
凡人には思いつかない「ひらめき」に溢れ、凡人が陥る偏見もぶっ飛ばし、新しい世界を切り開ける人、、
 
俺は、明らかに、そんな天才ではないから、常に自己否定を繰り返し、かすかに見える未来を、なんとか頑張って目指す、、
 
そういう生き方しかないんです。
 
楽しいとか苦しいとか、もう関係ないんです。
 
幸せとか不幸とかも関係ないんです。
 
ただ、かすかに見える未来を、なんとか頑張って目指す、、
 
本当は、めっちゃ苦しいけど、、、それは、もう仕方ない、、
 
『そして、この世界には、絵に描いたような天才なんかいない。誰しもが、一歩一歩、頑張って、未来を目指してる。』

 

チョーさんもダイキチさんも、多くの先輩達も、また、多くの社会人達も、、、


だから、2年前
「今より、ミュージシャンみたいに振舞ってた俺」
「何も知らず、何もできてないのに、見栄ばかりの俺」
「自分勝手な思い込み、自分勝手な基準の俺」

そんな「2年前の俺」は、今の自分自身でぶっ飛ばす。

とにかく、成人してから30歳まで続けた社会人としての道を外れ、社会の外にある芸術の世界、

それも森羅万象、ありとあらゆるものが溢れている「音楽」という分野に身を捧げる決心をしてしまったので、

この修羅道を進んでいきます。

この道、、、「何も言われなくなったら終わり」だと思っています!
 
「ダメだったのに優しくしてもらったら終わり」だと思っています!
 
これからも、俺を、遠慮なく叱咤してください!!
 
末永く、太くどうかよろしくお願いします!!
 
 
 
 
未来 完
 
 

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未来 第3話

 
 
ミュージシャンになるためにサラリーマン生活を辞めてから今年の10月で2年が経ちます。未来の自分への志として思っている事を書きます。
 
「今の自分を否定する」「正しいと思った時には間違っている」、、、
 
気づいたものの、実践するのはめっちゃ、しんどいです。
 
「満足」した瞬間に、未来へは進めません。
 
「正しい」と思った瞬間に、壁にぶち当たります。
 
ストレスで食事も喉を通らないほどの日々を過ごしていましたが、ある日、ふと、すっきりしました。
 
 
 
「自己否定」って言葉は、ネガティブな言葉ですが、見方によっては凄くポジティブな言葉に変わるんです。
 
 
 
「自殺する人は、現状が辛くて自殺するわけではなく、未来に希望が無いから自殺する」という言葉がありますが、これは未来を「否定」した結果です。
 
 
でも、自分が繰り返している「否定」は、「今の自分」を否定すること、、、
 
それは、結果的に「未来の自分」を肯定する事になるんです。
 
その事に、気がついたことで、だいぶ楽になりました、、、が、それでもまだしんどいです。
 
 
「雲に閉ざされた山頂は、麓からでは見えない」から、、、
 
 
 
「今の自分」を検証して否定すると、とても不安になります。
 
でも、否定しないと、未来は見えない、、、
 
否定する事で、視野が開け、少しだけ未来が見える。
 
否定することを止め、目先の満足に流されて、できてない事をできていると妄想してしまうと、歩みは止まってしまう。
 
精神論や一般論は忘れて、
 
ただ「目指す」のみ
 
もし、ここで立ち止まってしまったら、
 
「人生最大の後悔」を背負って生きていかなければならなくなってしまうんです。
 
未来 最終話へ つづく


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未来 第2話

 
ミュージシャンになるためにサラリーマン生活を辞めてから今年の10月で2年が経ちます。未来の自分への志として思っている事を書きます。
 
その時は、全くわかりませんでしたが、今思えば、、、
 
2年前は,単に仕事を辞め、ミュージシャンになった気になっているだけでした。
ぬるい気持ちでタブラと向き合い、友人との投げ銭ライブや、自分本位なライブをして自己満足に浸っていた時、、たまたま、シタール奏者のダイキチさんとセッションする機会がありました。
 
結果、ボロボロに完敗、、、。
 
その後、一緒に活動するようになり、ダイキチさんから色々アドバイスをしてもらっても、全く理解できず、、、結局、最初の1年は、何をやってもダメで、誰に何を言われても理解できず、、、
 
悩み、苦しみ、凹みまくり、、、答えの見つからない日々が続きました。
 
そんな時、、、ダイキチさんからチョーさんを紹介してもらい、
「藁にもすがる」思いで、タブラを習い始めました。
 
それが1年前です。
 
それから今まで、たった1年の間に、日本とインドの両方で、約40回以上、
それも、面と向かって、1対1で、毎回3〜5時間、みっちり厳しいレッスンをしてもらいました。
 
「新しい事を習う」のではなく「間違っていた部分を徹底的に直す」というレッスン。
 
技術だけでなく、タブラに向かう姿勢や考え方、身の置き方、これからの事、、
 
実際、インドに習いにいっても、こんな内容で、みっちりとレッスンを受けられる事はないそうです。
 
めくるめく、、怒涛の様な、、とは、この事です。
 
あの日からの1年が5年くらいに感じています。
 
たった今も、来月も、来年のインドへも、、その怒涛の時間は続いています。
 
そして、そんな日々のお陰でわかった事とは、ずばり!
 
「今の自分を否定する」「正しいと思った時には間違っている」
 
と言う事です。
 
未来 第3話へ つづく

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