タブラ奏者きゅうりの修行日記

毎年訪れるインド、日本他諸外国での活動。師匠チョーさんとの涙あり笑いありの修行日記です。

インド修行2期 24話

寂しいです。寒いです。寂しくて、寒いです、、、先ほどデリーに帰ってきました。

寒いのは、気持ちのせいだけじゃありません。ホテルの部屋の窓、、、5センチぐらいの隙間だらけなんです、、、

そこから外の大通りの排気ガスだらけの冷気が、容赦なく入ってきます。

大音量のクラクションと、トラックのエンジンの爆音とともに、、、

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本日、元ヤン・シタールYo君も台湾に帰ってしまいました。

別れる前に色々と語り合ったのですが、Yo君にとっても、今回のインドはターニングポイントになるような、衝撃的な出来事が沢山あったようです。

彼は、色々な思いと悩み、喜び、苦しみ、様々なものと向き合いながら、台湾で真剣に、本気で音楽をやって行く事を誓って、旅立って行きました。

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俺も、負けじと、うぉぉぉぉおおお!!!!とならなければいけないのですが、、、

この寒さと、孤独、、、今日は、とてもそんな、気持ちになれないから、、「あしたのジョー」を見て、気持ちを高めよう!!と思っていたら、、、

 

ホテルの若いスタッフが沢山部屋に入ってきて、いま、質問攻めに合っています。

 

頼むから一人にさせてくれ!!!

 

圧倒的なパワーのインド。明日からのラスト1週間。帰国翌日のライブに向け、朝から晩までタブラ漬けの毎日で締めくくります!!

 

ぁあああ~~~っ!蕎麦と刺し身が食べたい!!

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インド修行2期 23話

先ほど、インド人超大金持ちの豪邸で、シタールの巨匠シュジャート・カーン・サーブとチョーさんと元シタール・ヤンキーYo君と一緒に晩餐を頂きました。

 

チョーさんにその事をギリギリまで内緒にされていたため、驚きのあまり心臓が止まりました。

チョーさんは、そんな俺を見て大笑いしていました。

 

晩餐中、、、

 

豪邸の主人「懐かしいな。沢山の音楽の偉人達が、あそこのステージで演奏をして、、このテーブルで食事をして、、、ヴィラヤット・カーン、ビンセン・ジョーシー、、、、」

 

カーン・サーブ「きゅうりが座っているところは、ビンセン・ジョーシーがいつも座ってた席だぞ!!がっはっはっはっ!!」

 

き「!!!!!!」

 

カーン・サーブとチョーさんの演奏は、深夜3時から。1時すぎに会場入りなので、それまでチョーさんのマッサージなどをして過ごします。

 

シタール・ヤンキーYo君と共に師匠達のサポートを全力で頑張ります!!

 

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インド修行2期 22話

チョーさんのコンサートのお付きでこれから人生初のコルカタに行きます!

向こうには恐怖のシタール大王「Ut・シュジャート・カーン」が元シタールヤンキーYo君とともに待ち構えています。

飛行機は現在2時間の遅れ。チャイを飲みながら、チョーさんと話しているときのこと、、、

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き「実は、大変言いにくいのですが、俺はシュジャート・カーン・サーブが恐ろしいのです」

チョ「なぜだ?」

き「この前の写真のとき、ぶぁっと一喝されたし、Yo君はいつも怒られているし、身体もデカイし、声もデカイし、顔も怖いです。」

チョ「きゅうり。カーン・サーブは、とても優しくて、ユーモアのある面白い人だぞ!」

き「、、、」

 

チョ「今日もカーン・サーブから朝5時にいきなり電話で起こされたんだ。そしたら、、、

「もう、フライトの時間だぞ!!何時まで寝てるんだ!!」

といきなり、怒鳴られたんだ。

フライトはお昼だし、眠いから寝かせてくれと、何度も言ったんだけど、、、

「ダメだ!!起きろ!!」の一点張りだ。

で、10分ぐらいそんなやり取りをしたあと、、、

「イッツ ジョーク!がっはっはっはっは!!」

と言って、いきなり電話を切られたよ。

きゅうり!!とてもユーモラスな人だと思わないか!?」

 

き「すいません。ぜんぜん思いません、、、」

 

先ほど、飛行機が更に遅れるとの連絡が、、、このまま、フライト中止になればいいのに、、、

と恐怖のあまりに、ろくでもない事を考えてしまいます。

インド修行2期 21話

レオ先輩「きゅうり!!めっちゃあかんで!!そこ、めっちゃあかんとこやん!!ママーっっ!!ここめっちゃあかんとこやんな!!?」

 

き「あかん、あかんって、いったい何が、、、?」

 

レ「そのホテルから200mぐらい行ったエリア、、、デリーで有数の危険地域やで!!」

 

き「、?、、、、?、、、、?、、、、、」

 

今日でインド合宿生活も終了、明日から独身インド生活だ。

馬鹿オリモトは先日帰国、ダイキチさんは今晩帰国、元シタールヤンキーYo君は明日のフェスに向け、俺よりも一足先に師匠と共にコルカタへ移動する。

昨晩、レオ先輩の家で食事会を開いてくれ、楽しい時間を過ごした、、、

 

その席でのこと、、、

レオ先輩「きゅうり、明日から1人だけど、どこに泊まるの?もし、決まってないなら、ウチのベランダに泊まっても良いよ!!猫と一緒に、、、フフフフゥ~ww」と、いつものかわいい冗談、、

 

き「もう、チョーさんに、ホテルは手配してもらったよ。。」

 

レ「あ、そうなの?残念、、で、どこ?」

 

き「チョーさんの家の近くの、ドゥワルカという、、」

 

レ「え??」

 

き「ドゥワルカという、ド、ドワルカ、、?」

 

レ「え?、、、、えっ?、、、えっっっ???、、、Dwarka!!!?」

 

ドワルカは、東京でいえば八王子や立川みたいな場所で、ものすごく広大な地域に、インドらしく何万~何十万という人がギュウギュウになって住んでいる超巨大住宅地だ。

 

でも、昭和30年代のように地方から多くの人が移住し、中には、無法地帯になってしまってる地区もあるという話。

 

き「え、、、?でも、この前、行った時は、別に普通の、、」

 

レ「車に乗ってるだけじゃ分からんねん!!あの網目のように入り組んだ小道、、、気がついたら、危険エリアに入ってんねん!!地元の人は、分かってるから絶対行かへんけど、きゅうりなんか、普通に歩ってたら、迷って気がついた時には、戻れへんようになってるで!!」

 

き「え、、?そ、そんな??でも、、ガンジーの非暴力思想が行き届いたインドだし。危ないって言っても、ちょっと小銭をすられるぐらいでは、、、?」

 

レ「甘いっ!!甘すぎるっ!救いようのない甘ちゃんやっ!!!」

 

き「、、、、」

 

レ「強盗事件なんかしょっ中やで!!」

 

き「えっっ!!!??」

 

レ「いっつもニュースになっとるもん!!」

 

き「!!!??い、、いや、、、でも、、強盗なら最悪お金を渡せば、、、」

 

レ「あっ!!?そう言えば、確か誘拐事件もあったで!!」

 

き「誘拐!!?でも、誘拐なんて、金持ちの子供とかじゃないと、しても意味ないのでは!!?」

 

レ「確かに。ちょっと調べてみるわ!!」

 

スマホを巧みに操り、ニュースを探すレオ先輩、、、

 

レ「あ、あった!!これや!!これや!!」

 

き「な、なんて、書いてありますか!?」

 

レ「えっと、、先日の誘拐殺人事件、、、被害者は33歳男性のドライバー、、、目的は食用、、、」

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き「え?、、えっ!!?、、、エーーーーッッッ!!!!!しょ!食用!?!?!?!?」

 

レ「あ、、あと、、野犬もめっちゃ多い地域だから、、噛まれないように気をつけてね、、、」

 

き「、、、、、、、」

 

いきなりドン底の気持ちで現在パッキング中です、、、

しかも、明日は先日「テメェ!モタモタすんな!!!」と、一喝された恐怖の大王「Ut・シュジャート・カーン」と

「チョーさん」のお付きでコルカタまで行かねばならない、、、

 

先ほど「もう、、コワイ~ぃ、、ドキドキする~ぅ、、胃が痛い~ぃ」と言いながら、元ヤン・シタールYo君は、空港に向かった、、、

 

もう数時間で、ダイキチさんも空港に向かう、、、

 

ドン底に落ち込んだまま、今晩、ドワルカで1人、、

 

そして明日は、あの「恐怖の大王」と再会、、、です。

 

インド修行2期 20話

またまた信じられない事が、、

Ut・シュジャート・カーンから一喝されました。たった一瞬の出来事でしたが、3秒ぐらい死にました。

昨日も、Ut・シュジャート・カーンとチョーさんのライブのお付き、、、

先日のフェスと同様、チョーさんと楽屋入り、タブラをセッティングし、舞台袖からチョーさんの演奏を、ドキドキしながら勉強しました。

大歓声のアメイジングなステージが終わり、急いでタブラを片付け、無事にパッキング。

 

ほっと一息ついて、最後に会場を後にしようとした、その時、、

突然、、!!

「みんなで一緒に写真を撮ろう!!」

Ut・シュジャート・カーンの太い声が響き渡る!!

 

声に引き寄せられるように向かうと、、

ダイキチさん、元シタール・ヤンキーのYo君、レオ先輩、他、多くの共演者、関係者が集まっていて、

その姿を、その他数人の関係者が、こぞって写真に撮っている。

 

、、ぼぉっと眺める俺、、

 

あれ!?気がつくと、なぜか、俺の手にiPhoneが、、、

そして「撮って!!」の声、、、

 

俺は、まわりのみんなが撮り終わるのを待ち「ハイ!チーズ!」的な事を言って、目線をこちらに向けてもらおうと、待機していた、、、

 

しかし!!その時、Ut・シュジャート・カーンから「OK!帰ろう!!」と、うれしそうな声!!!!

 

「え、、え、、あ、、え、、う、、、」

 

戸惑う、俺、、、

 

見かねたYo君(元シタール・ヤンキー)から助け舟!!

「も、、もう一枚、、」

Ut・シュジャート・カーンに言って、iPhoneを構えてオロオロしてる俺を指差す!!

 

、、、と、その時!!!

 

「なんだ!たらたらしてんじゃねぇ!!!」

 

Ut・シュジャート・カーンの太く、響き渡る声!!!巨漢、巨匠、恐ろしすぎるオーラが俺の全身を撃ち抜く!!!

 

「うわぁぁぁぁぁ!!!!ガクッ、、、、」

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アパートに帰って、ドン底に落ち込んでいると、、

 

Yo君(元シタール・ヤンキー)が「大丈夫だよ。あんなの怒られたうちに入らないよ。僕なんか能無し!とか、毎回すごい怒られるよ。」

 

き「、、、、、」

 

Yo「きゅうり君は、チョーさんの弟子だから、うちの師匠が直接怒ったりしないよ。」(ニコッ)

 

き「、、で、、で、、でも、、、あの時、3秒くらい俺、、死んでた。」

 

Yo「師匠は、やっぱりすごいミュージシャンだから、すごくエモーショナルで、瞬間的にブァッて変わるんだ。」(ニコニコッ)

 

き「、、よ、、よ、、よく、、そんな人のレッスンにいけるなぁ、、Yo君やっぱりすごい、、、」

 

Yo「どんなに怒られても怒鳴られても、、ずっと片思いでも、どんだけ師匠を好きでいられるか、、みたいな感じかなぁ」(ニッコニコ!!)

 

き「来週のコルカタのフェスでも、Ut・シュジャート・カーンとチョーさんのライブでお付きだよね。俺もう、足がガタガタ震えてきた、、」

 

Yo「大丈夫!!大丈夫!!!」(ニコニコニコニコニコニコ!!)

一夜明け、、、翌朝、、、

 

Yo君(元シタール・ヤンキー)が、真っ青になってオロオロしている、、

 

き「ど、どうしたの!??」

 

Yo「昨日、師匠のシタールを片付ける時に、絶対にシタールと一緒にケースに入れておかないといけないハンカチをポケットに入れたまま持って帰ってきてしまった、、、」

 

Ut・シュジャート・カーンは、数台のシタールを持っていて、調整などのためローテーションして使っているらしいが、ハンカチはお気に入りのたった一枚だけ、、、

 

それを、その日に演奏するシタールケースに入れ替え、演奏前に弦をふき、演奏後にまた弦をふく、、それが、長年の習慣だそうだ、、当然、練習する時も同じ、、

 

正直、これはかなりヤバイ、、、

 

Yo「ど、、ど、、どうしよう、、、師匠のハンカチ、、また、お、、お、怒られるぅぅぅうう涙」

 

もう俺は、何も言う事ができなかった、、、、。

 

インド修行2期 19話

今日はレッスンの後、デリーで1番のタブラ工房にチョーさんに連れて行ってもらいました!!

 

10分で1mしか進まない大混雑のカオスロード。まさに、インド、これぞ、インド!!

 

ホコリと排気ガス、道の両脇には今にも倒れそうな露店、、、

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忙しくて、とても疲れているチョーさんは、車を運転しながら、珍しく悪い言葉を連発、、、

 

途中、いきなり3人乗りの原チャがチョーさんの車に激突、、、

 

一瞬、鬼の形相になったチョーさん、、、

 

しかし、なんとか堪え、お咎めなし、、、

 

数々の関門をくぐり抜け、混沌のローカルシティにある、タブラ工房に3時間かけてやっと到着、、、

 

去年作ってもらったタブラを再調整してもらい、NEWタブラもオーダー!出来上がりが楽しみです!!

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ほとんどいないと思いますが、タブラが欲しい人は、グッルー・タブラメーカーに行けば間違いないです!!マジで気絶するぐらいの音です!!

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この前のコンサートでもほとんどの巨匠がここのタブラを使ってました!!

インド修行2期 18話

ライブのことで落ち込んで、結局よく眠れなかった。

この世の終わりのような顔でレッスンに行くと、、、

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チョ「何をそんなに落ち込んでるんだ?昨日のきゅうりの演奏は良かったぞ!!」

 

き「はぁ、、、」

 

チョ「たった3日前に教えたフレーズで、ソロもバッチリ決めたじゃないか!?たった一年でそんな事ができるなんて、俺の期待以上の事だぞ!?アンビリバボーだ!!」

 

き「はぁ、、、」

 

チョ「一体どうしたんだ!?」

 

き「確かにソロはうまくできました。でも、良いライブはできなかった」

 

チョ「、、、、。昨日はどんなライブだった?」

 

き「なんか発表会みたいな感じになってしまいました。エモーションがなかった。なんか、めっちゃ恥ずかしいライブでした」

 

チョ「思い切って演奏できなかったのか?」

 

き「集中もしてたし、気持ちも高まってました。でも、エモーションは感じなかった」

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チョ「楽しめたのか?」

 

き「楽しめてないです。と言うか、いつも楽しんでないです。ミスをしないように、きちんと演奏できるように、2人の演奏を邪魔しないようにするのに必死です」

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チョ「きゅうり。俺はそんなことを考えながら演奏したことはない。そういう気持ちでは、巨匠の伴奏をしたり、ザーキル・フセインの前で演奏することはできない。誰と共演しようが、誰が見ていようが、そんなことは関係ない。音楽は、誰のものでもない。ましてや、勝負でもないし、そこに勝ち負けもない」

 

き「でも、良い音楽をするためにはミスは許されないし、、、、」

 

チョ「それじゃダメなんだ!!ミスなんか恐れるな!!そんな事を考えていたら、いつまでもエモーションを解放できないぞ!!」

 

き「じゃあ、どうすればいいんですか!?」

 

チョ「思いっきり演奏して、もしミスをしたら、そのミスを超えるぐらいの演奏をしたら良いだけだろう!!」

 

き「エッ!!!」

 

チョ「全力でぶつかって!!ぶつかって!!ぶつかり続けるしかないだろう!!」

 

き「ウッ!!!!!」

 

チョ「うまくやろう、、ミスしないようにやろう、、、そんな事を考える余裕なんか無いはずだろう!!?」

 

き「ハッ!!!!!」

 

チョ「何をそんなに恐れる必要があるんだ?音楽を楽しめ!!ただただ、純粋に楽しめ!!」

 

き「泣、、、、」

 

チョ「うまくバランス取ろうとするな!小さくまとまるな!そんなのはミュージシャンの生き方ではない!」

 

き「号泣、、、、」

 

チョ「良いミュージシャンになりたいならミュージシャンとして生きろ!そうでないなら何か他の仕事を探せ!」

 

き「涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、涙、、、」

 

チョ「よし、今日も新しいフレーズやるぞ!!!!」

 

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