タブラ修行初編 第2話「チョーさんとの再会」
目覚めると朝の5時。軽く顔を洗いリビングに出ると、ダイキチさんとYO君が、すでに練習を始めている。
コーヒーを淹れ、テラスに出ると、ピリッと冷たい空気と霧に包まれた景色、とんでもなく心地いい。
喧噪の街はまだ目覚めていない。
映画のワンシーンの中にいる様で、「俺、キマッてるな」「俺、結構イケてるな」とニヤニヤしてくる。
購入したタブラを持ち帰るため、極力手ぶらで来たので、練習には加われない。
コーヒーを飲みながら、ただただ練習を傍観する。
俺は部屋に一人残り、荷物の整理やら、散歩やら、、、、
昼過ぎ、やる事もなくなって、ちょっと寂しくなってきた頃、シタールの2人が帰ってきた。
満足げな表情のダイキチさんとは対照的に、昨夜の灼熱の練習とは打って変わって、うるうる涙目?
うつむいたままのYO君、、、
訳が分からないので聞いてみると
「毎日、先生に、ひどく怒られる、、、、」
ボソッと言うなり、YO君は自分の部屋に閉じこもって練習を始めた。
な、、な、、何なんだ!!?
いい大人が泣いてしまうくらい怒られるって、、
昨夜から、まったく状況が飲み込めないまま進む時間、、、、。
軽い昼食を食べて、チョーさんが用意してくれたレッスン場に向かう。
デリーで最も裕福な地区の一つ「バサント・ビハール」にある豪邸、、、、
門番の人が分厚い鉄板で作られた門をあけ案内してくれる。
綺麗な庭を抜けて階段を上がり、離れに通される。
「チョーさん!!」
「きゅうり!!」
デリーで、さらに眩しく光り輝いているチョーさんと感激の再会、、、懐かしい輝き!!?
しかし、この時、これから始まる、ハイパー過ぎるレッスンと想像を遥かに超える出来事が待ち構えていようとは知る由もなかった、、、、
インドタブラ修行初編 第3話へ つづく